実家のおばあちゃんが階段で足を滑らせて転倒したとの一報を受けました。幸い大きな怪我等はなかったのですが、高齢なので大変心配です。少しでも事故を防げるように現地でみてもらい相談に乗ってもらえないでしょうか？

高齢者の事故の中で最も多いのが「ころぶ」事故で、毎年多くの高齢者が「ころぶ」事故でケガをして救急搬送されています。その数は年々増加し、年齢が高くなるにつれて割合も増加しており、高齢になるほど「ころぶ」ことがケガにつながっています。日常生活での思わぬケガは生活に影響を及ぼすこともあり、本人だけでなく家族や地域で事故防止を考えることが重要です。事故の実態や傾向を知り、本人、家族、地域でそれぞれができる事故防止対策を実施しましょう。

事故の発生場所では、「住宅等居住場所」が最も多く、次に「道路・交通施設」となっています。「住宅等居住場所」を屋内と屋外に分けてみると、屋内での発生が9割以上を占めています。また、住宅等の屋内の発生だけで、「ころぶ」事故全体の５割以上を占めています。「住宅等居住場所」で「ころぶ」事故が多く発生した場所を見てみると、「居室・寝室」が最も多く、次に「玄関・勝手口」、「廊下・縁側・通路」となっています。

若い時なら軽いけがで済む程度の転倒でも、高齢者の場合は大事故になる可能性があります。若い時に比べて回復までに時間がかかるため、安静にしている期間が長くなる傾向にあり、その間に体力や筋力が衰えて、そのまま寝たきり状態になってしまうことも少なくありません。転倒したことで自信を失くす、歩くことへの恐怖心が生まれるなどで体を動かす機会が減ることがあります。転倒の危険性を理解し、転倒防止に向けてきちんと対策しておくことでこのような事態にならないようにすることが大切です。